専科-6ステップ(4):
総合練習・曲の仕上げ方
曲の仕上げ方(練習方法)
さて、いよいよ「専科」の最終課題曲となりました。
ここまでレッスンが進まれた皆さんは、もう曲を「曲らしく」弾くためのメカニック(指の機能性)、テクニック(表現方法)を充分に身に付けていると言えましょう。
あとは、それをどのように使うかという具体的な方法をマスターすれば、自力で曲を美しい音楽として演奏できる筈です。
新曲に取り組む場合、まず、一応の音出しをしてみます。
そして、ある程度、楽譜の音をギターのフレット上に移し変えられるようになったら次の順で練習をします。
(1)リ ズ ム 身体でインターン・アウトターンの拍子をとりながら弾く。 H・Lの表情を低音に付ける(フレーズの構成感を作る)。 |
(2)メロディ メロディ音に指向性(トーンプロポーション)を持たせ、流れるようにする。 アーティキュレーションも適度に付ける。 |
(3)ハーモニー 伴奏音の音量の変化(ダイナミックスにもつながる)。 そして、その和音にふさわしい音色の変化をつける。 ハーモニーバランスをとる。 |
以上が基本的な音楽の作り方です。それがきちんとできるようになったら、応用として
(4)ダイナミックス(強弱の変化) メロディや伴奏音の表情のための強弱を付ける。 曲の構成感にふさわしい大きなフォルムの違いを作る。 |
(5)アゴーギク(速度の増減) メロディの流れに沿って、リアリティのあるテンポを作る。 フレーズのフォルムを作るためにヘヴィからライトに向かってテンポを動か し、リアリティのある表現にする。 |
(6)トーンカラー(音色の選択) フレーズごとにふさわしい音色の選択をする。 また、曲によってトーンプログラミングを行って、更に豊かな表情を付ける。 ハーモニーバランスをとる。 |
という技術を使い、更に豊かな表現を行うようにします。
本来はこうした表現法には優先順位というものはありません。
結論を言えば、すべてが同時に行われるものなのです。
しかし、それは完成した演奏者に対して言えることでもあります。
皆さんは、着実に一つずつの技術を消化していくようにしましょう。
そして、いつの日か、こうして個別に表現を付けることなく、ダイレクトに『音楽』そのものを表現できるようになってください。