ご挨拶

向井正義これからギターを始めようとしている皆さんは、大きな(またはちょっとした)夢と希望を抱いていることでしょう。と同時に、いささか不安も持っていることと思います。
自分は果たしてどのくらい上達するのだろうか、全然弾けなくて途中で投げ出してしまうのではないだろうか。音楽をする=楽器を弾くには特別の才能が必要らしいが、自分にそれがあるのだろうか、と。

最初にお答えしておきます。「才能」などという不確かなものは必要ありません。きちんとした順序で学んでいけば、誰でも必ず上達するものです。

例えば、自転車に乗れるようになるためには相当努力しなければなりません。早い人でも、1〜2週間はかかることでしょう。遅い人なら1ヶ月近くかかってしまうかもしれません。
しかし、「もしかしたら自分には自転車に乗る能力がないのでは」などと考える人は滅多にいないと思います。みんな、きっと乗れるようになると信じて、転んだりしながらも一生懸命練習に励み、その結果、ちゃんと乗れるようになるのです。
実際には、自転車に乗るということは実に難しいことなのですが、それでも、殆どの人は、その技術の習得に対してそれほど不安を持ちません。それは、自分の周囲に『自転車に乗っている人』が大勢いるからです。

ギターの場合にも、同じことがいえるのですが、日常生活の中ではギターを弾いている人をあまり見かけることがありません。だから、自分にも弾けるのだということが分かりにくいだけなのです。
そのうえ、たまたま近くに『ギターの経験者』がいたとしても、ほとんどの人は、全くの独学である場合が多く、メチャクチャな順序でギターに取り組んでしまって、どうにもならなくなってしまっていることが多いのです。

そういう人は、先ほどの例でいえば、自転車にすら乗れないうちにオートバイに乗って、時速50〜60キロで走って、転んでけがをしている人のようなものです。
そのあげく、ギターは難しいと語っていることもありますが、皆さんはそういう人の言葉を気にする必要はありません。マイペースでギターの技術を修得して、美しいギターの世界を手に入れてください。

人は、自分の手で努力したならその分だけ必ず何かを得ることができるのです。道を間違えなければ、みずからの望んだものを得ることができます。

その道がギターの場合ならば、正しいメソードなのです。皆さんが、無駄なく上達できるように私たちもより勉強を重ねていきます。
このメソードは、人間工学とギターテクニックの融合を考えて作られています。
努力したなら必ずその分だけ進歩することでしょう。そうした意味で、ギターの前では誰もが平等なのです。

ジャスティという言葉はJUST(公平)という意味から生まれました。

どうぞ皆さんもジャスティギターの精神でギターライフを楽しんでください。きっと素敵な世界が扉を開けて、皆さんを迎えてくれることでしょう。

ジャスティギター協会会長 向井正義