21ステップ

「基本科」を終えて:
基本科で学んだこと・これから学ぶこと

ここまでテキストを学習していきた皆さんには心から賞賛の言葉を贈りたいと思います。
よく頑張ってここまでたどり着きました。これはすべてみなさん自身の努力の結果です。その調子で更に素晴らしい音楽の世界へ進んでほしいと思います。
それでは、これまでに学んだことを整理してみましょう。

基礎知識

1.ギターの楽譜の読み方

2.音階(スケール)と和音(コード)の仕組み

3.ギターと指の各部の名称

4.調弦の方法

5.弦の張り替え方

6.弦を振動させるということの意味(正しい音の出し方)

基本奏法

7.ギターを弾くときの基本姿勢

8.ギターを弾くときの左右の指の基本的な指使い

9.指の関節を固定して弾くアームワーク&リストアクションの方法

10.素早いホールド(弦をとらえる)とリリース(逃がす)の感覚

11.正しい弾弦(アタック)方法=接弦 ・ 離弦点の理解

12.メロディ&ハーモニー&ベースの弾き分け

 

こうしたことを適当な順番で覚えていったわけです。
ここまでの基礎知識と技術があれば、とにかく大体の曲は、一応、弾く(音を並べる)ことができます。
あとは、「慣れ」ということが重要な要素となって、ある音形のパターンに、すぐに指が反応するということができるようになると良いでしょう。

そして、実はそこから「音楽」が始まるのです。これからは、そこにある音をどのように表現するか、というテーマが始まります。
例えば「文章」のことを考えてみましょう。そこに書いてある文字を間違いなく発声することができても、それは別に面白いものではありません。

その言葉に「どのような感情を込めて読むか」ということで、素敵な読み手とそうでない人の違いが生まれます。
ギターを弾く(音楽を奏でる)ということも、これとまったく同じことなのです。

これからは、どうすれば「美しい表現」が作れるかということがテーマとなります。
それが「演奏表現」ということです。これが本科のテーマなのです。

曲というのは「音構成」がすべてではありません。その音をどういうニュアンスで弾くかによって、音構成が同じはずの曲なのに、ずいぶん違った曲に聴こえるものです。

その代表的な演奏表現技術が p (ピアノ=弱い音)、 f (フォルテ=強い音)というニュアンスの相違です。
そのほかにもいろいろな表現技術があります。本科ではそうした、魅力的な演奏方法を身につけてゆきましょう。