本科-2ステップ

本科-2ステップ
p 指の奏法・(H ヘヴィ)&(L ライト)トーンの弾き分け

p 指の役割はけっして低音の音を出すことだけではありません。
メロディを弾いたり伴奏の音を出したりと、i m a 指の役割と基本的には変わることなく、「音楽」を表現するのに必要な音はすべて出せるようにならなければなりません。
しかし、最初からすべての必要技術を使えるようにはなれませんから、順番に1つずつマスターしてゆきます。
このステップでは「メロディと伴奏」をスライド奏法とフック奏法で弾き分けます。

スライド奏法
(Hトーン)
これまで行っていた弾き方。p指の関節をそらせるようにして緊張させる。
拇指対立筋(ぼしたいりつきん)を力ませてp指に弦の抵抗があっても負けないようにしっかり固定する。
そして、弦を縦方向に押し込んで、その直後に指の先端が横方向へスライドし、次の弦に触れて止まる。
メロディを弾くときに使う。
ロール奏法
(Hトーン)
弦の振動はスライド奏法の場合と殆ど同じ。違いは、アクションにある。
弾弦前はスライド奏法を同じようにアームワークを使って、弦に対し縦方向にパワーをかける。
この時、弦のたわみが常に一定(加えたエネルギー分だけたわむ=弦からの反作用とかけた圧力のパワーが一致する)になるように注意する。
そして、弦のたわみが戻ろうとする反動アクションと共に指先もわずかに上方向に戻りながら(少し回転)して弦から離れる。
スライド奏法で弾いた場合、隣の弦に指が触れるので、その弦の振動は止まってしまう。
隣の弦の音を伸ばしたいときはロール奏法を用いる。
フック奏法
(Lトーン)
p指の爪の先で浅く弦を引っかけ(フックさせ)、縦方向に押し込むことなく指先を逃がす。
弦をしっかりホールドするように注意する。伴奏音のときに使う。

縦振動と横振動

ギターの音は弦が振動して発生しますがそれだけでは「音」になりません。
弦の振動が表面板に伝わってギターとボディそのものが震動して豊かな音が生まれるのです。
弦の振動方向が縦方向の場合、ギターはより深く大きい音を出します。そして、横方向の振動が加わると緊張感のある「強い音」になります。
この性質がギターの大きな魅力を生み出します。
この弦の『縦・横』振動のバランスをとることによって、実に多彩なニュアンスの音を創り出すことができます。

 

 「ロンドンデリーの歌」 アイルランド民謡/向井正義編曲

*メロディの音をスライド奏法で弾き、伴奏音をフック奏法で弾くことに慣れたら、音の強弱( pf )をつけて弾くようにしましょう。