本科の調弦方法とプルガール

本科-本科の調弦方法とプルガールのマスター

これまでの調弦方法は、⑤弦を基準として次々と隣の弦を合わせていく「ユニゾン方式」で行ってきましたが、これからは「ハーモニックス式」の調弦方法を使い、オクターブで確認をして「調整」を行います。

ハーモニックス式調弦法

1.⑤弦の5フレットのハーモニックス音と音叉のラの音を合わせる
2.⑤弦の5フレットと④弦の7フレットのハーモニックス音を合わせる
3.④弦の5フレットと③弦の7フレットのハーモニックス音を合わせる
4.⑥弦の5フレットと⑤弦の7フレットのハーモニックス音を合わせる
5.⑥弦の7フレットのハーモニックスと②弦の開放弦を合わせる
6.⑤弦の7フレットのハーモニックスと①弦の開放弦をあわせる

  という順番でそれぞれの弦を合わせます。

オクターブ式調弦法

1.⑤弦の開放弦のラと③弦2フレットのラを合わせる
2.⑤弦2フレットのシと②弦の開放弦のシを合わせる
3.④弦開放弦のレと②弦3フレットのレを合わせる
4.④弦のミと①弦開放弦のミおよび⑥弦開放弦のミを合わせる

各弦のバランスがとれたら、最後にE(イー・メジャー)の和音(コード)を鳴らして確認(チェック)します。
この弾き方はプルガールといって( )の記号で表します。

プルガールの弾き方

基本的にはスライド奏法の延長的な奏法ですが、普通にスライド奏法で弾くと、弾いた後の指の状態は次の弦に対して接弦点が指の先端から遠くなってしまいます。
1音ずつ弾くのならそれでかまわないのですが、この場合は離弦点にパワーポイントを設定せずに、接弦点にパワーポイントをおいてほんの少し p 指の関節の固定をゆるめておいて、アームアクションで弾きます。
そのときに p 指の接弦点の描く軌跡(きせき)は、弦に対して水平方向(⑥弦から①弦に向かう方向)になるようにします。

ハーモニックスの原理

基本科でもハーモニックスを使う曲がありました。
これからもこの弾き方は、たびたび出てきますので、ここでよく覚えて起きましょう。非常に美しい音の出る技巧です。
ハーモニックスは、弦の振動の性質によって生れます。
弦というものは、ある程度の「張力」を与えると人の耳に聞き取れる「音波」を発します。
人の耳には、その振動数が多いと「高い音」として、少ないと「低い音」というように感じられます。
1本の弦の質量が大きい(重い)と振動数は少なくなり(低音弦は重くなっています=低い音)、質量が小さい(軽い)と振動数が多く(高く)なります。
そして、弦の長さが短くなると、倍の高さ(1オクターブ上)になり、1/4になると更にオクターブ高い音がします。
そこで、弦の長さの何分の1かのポイントに軽く指を触れて、そこで弦の振動を止めるようにすると、その高さの音が出てくるわけです。

1/2=12フレット=オクターブ上の音
1/3=7&19フレット=5度上のオクターブ上の音
1/4=5フレット=2オクターブ上の音
1/5=4&9フレット=3度上のオクターブ上の音
1/6=3フレット=5度上の2オクターブ上の音

  というハーモニックス音がよく使われます。

和音の構成について


コードは基音の上に3度上の音を積み重ねて作られています。
基本は3つの音ですが、4つ目を重ねた場合(7度上の音になるので)7をつけてセブンスコードと呼びます。

短和音と調和音について


和音は3度音程の積み重ねで作られています。
そして、3度音程には「短3度」と「長3度」という違いがあります。
この違いによって和音の性格も変化します。
また、第3音(まん中の音)を半音、上げ下げする(♯や♭をつける)ことによってメジャーとマイナーを変えられます。