2.ステージに臨む心構え

ステージに臨む心構え

「ステージに臨む」と一口に言っても、どんな目的でステージを迎えるかという理由は人によって実に様々です。
しかしどんな目的であるにしろ、ステージというものが非日常的なものであるということに変りはありません。いわゆる「本番」ということです。
スポーツの世界でも「練習の時はうまくできるのに、いざ本番となると本来(?)の力の半分も発揮することができない」という人がいます。
もっとも、本番で発揮できる力のことを実力というのであり、それが「本来の力」ということになるのですが・・・・・・。

それはさておき、なぜ「本番」では普段のようにリラックスをすることができないのでしょうか。
運動生理学の分野や脳生理学の分野の研究、また、心理学の分野からの研究報告を整理して芸術家の立場から考えると、
ステージの特殊性を意識することにより、普段は表層意識に昇らない「運動に対する命令機構」(=小脳で司る運動神経)をも大脳がコントロールしようとして混乱が生じるからだと言えます。
分かり易く述べると「本番の大切さ」を意識するあまり普段と違う神経機構で筋肉制御を行うので、普段のようには行動することができないということです。

本番の状態の方が「心」が働くのです。
心のより深いところで考えて行動するのです。
だから、それに慣れていないと混乱したりもします。
しかし、それは避けるべきものではなく逆に素晴らしいことなのです。
ステージではアガることにより「心からギターを弾くこと」ができるのです。
そして、ある程度の経験を積むとそうした興奮状態でもきちんとギターを弾くことができるようになります。
その時こそ、本当の音楽の味わいを知ることができるのです。

 

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