ジャスティメソード

8ステップ:和音の中でメロディを独立させる・フック奏法のマスター
 
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メロディと伴奏を弾き分ける
 6、7ステップの練習で『音楽的な演奏(=音楽が流れる)』をするにはどうすれば良いか、ということが少し分かってきたのではないでしょうか。
 ベース音にヘヴィとライトの性格を持たせ、それを交互に弾くことによってフレーズにまとまりが生まれ、しかも音楽が流れるようになりました。
 それに加えて、弦をプッシュするエネルギーを変えることによってピアノからフォルテまで音量の増減を行い、より豊かな音楽表現をすることができました。
 このステップではもう1ランク上の表現技術を身につけましょう。
 これまでのステップでは音量の増減(ダイナミックス)による表現をつけた場合、フォルテならメロディも伴奏もフォルテでした。というより、独立した伴奏音という音構成の曲はなかったのです。 これまでは、メロディに対して『伴奏音』という形の音構成ではなく、メロディを補強するように和音が響く曲を弾いてきました。
 このステップでは、メロディと伴奏音がしっかりと区別された曲を弾いてみます。
 具体的には、例えばフレーズ全体が「 mf 」だった場合、メロディの音はもちろん mf で弾きますが、伴奏音は「p」で弾くということです。
 メロディ音と伴奏音の音量を変えることによって、そのフレーズに3次元的な奥行きを持たせることができます。

 そうすることによって、音楽は寄り一層魅力的に響きます。

フック奏法のマスター(受動筋主動で発音する)
 これまでも「受動筋主動じゅどうきんしゅどうによるエネルギーの伝達」という方法で弦に対してパワーを掛けて来ました。 つまり、指の筋肉は、弦に掛けたエネルギーに対して(作用=反作用)によって相殺そうさいする働きをするだけであり、能動的に「筋収縮きんしゅうしゅく」をしないということです。
 フック奏法とは、弦をプッシュせずに弾く奏法です。爪の先端を浅く弦に引っ掛けて、リストアクションでデタッチをするのですが、わずかに(離弦のために)指先の関節を曲げて弦をリリースさせて、弦振動を起こすという弾き方がフック奏法なのです。
 このステップのテーマでもある「a 指でメロディ、i 指で伴奏を弾く」というスタイルは、ハーモニーの中の特定の音を浮かび上がらせる弾き方の基本となります。
 i m 指は弦に軽くホールドさせ、a 指のみ弦をプッシュして離弦するように弾きます。クィックアルペジオ風に弾き、a 指の離弦タイミングを遅らせると良いでしょう。


 「白ゆりのワルツ」 向井正義作曲


低音はHとLを交互に弾き身体はイン ・ アウトターンを繰り返す
 この曲は基本的に『ベース音を1小節ごとにH ヘヴィ ・ L ライトで』弾き分けます。 音形は単純ですから、注意力の大半を表現に注ぐようにしましょう。もちろん『身体の動きはインターン ・ アウトターンを交互に』とります。
 しかし、4段目のフレーズは4小節で構成されていますから「H ・ H ・ L ・ L 」となります。 曲の終わりはこのようにHとLが逆になることが多いことを覚えておきましょう。


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